集中力に憧れた
人が集中している姿はとてもかっこよく見える。その横顔はまさに侍を感じさせる。
今のは適当に書いただけだが、とにかく僕は大学時代に集中していることに憧れた。僕自身、熱中して何かをやることができないので、とても羨ましかった。それがどんなことであろうとも。
何でもいいから真剣にやりたいと思った僕は集中力が磨かれそうなものを探すことにした。僕は集中力を鍛えるために「将棋」「プラモデル」「ジグゾーパズル」をやった。この三つを選んだ理由は特になく、簡単に始められそうだったからだ。
まずは将棋だが、もともとルールは知っていた。将棋はスマホでアプリをとって対戦を繰り返すだけだ。30戦以上はしたと思うがなかなか勝てない。将棋の知識はゼロに近いが、頭が悪い僕にとって、相手の手を読むとか、戦略の形を記憶することが難しかったのだ。きっと優秀な人は努力を積み重ね、勝てるようにしていくのだろうが、僕はそこで諦めてしまった。
次にプラモデルだが、もともとガンダムをいくつか視聴したことがあったので、抵抗感は無かった。やすりとペンチを買ってとりあえず初めて見た。まずは頭を完成させ、その後胴体を作るのだが、そこで僕は辞めてしまった。理由としては、設計図が読めなかったのだ。どう頑張ってもパーツがハマらなかった。そこを飛ばして、別のパーツからやれば良かったのだろうが、能力がない癖に完璧主義者な僕はすぐに諦めてしまった。
最後がジグゾーパズルだが、結論からいって、これの完成しなかった。千ピースをやったのだが、8割くらい完成して辞めてしまった。挫折した理由は夜空が描かれている部分があるのだが、そこが難しかったのだ。ピースの絵はどれも星が小さく描かれているだけで、どれがそこのパーツか判別できないのだ。結局この三つは三日も持たずに終わってしまった。
当たり前の話だが、人は特に興味も無いし、やりたく無いことに集中などしない。もちろん集中できる人もいるだろうが僕には出来ない。結局ダメ人間は、何をやってもダメなのだ。その時の僕は一度、自分の不甲斐なさに落ち込みはした。しかし次の日にはケロッとしていたのを覚えてる。出来ないならいいやと、興味を失っていたのだ。
何をやるにも真剣に全力でできる人間は素晴らしいだろう。でも僕は、そんな事は出来ないし、もうやろうとも思っていない。好きそうな事、出来そうな事を一つずつやっていけばいいと考えている。どれくらい時間がかかるか分からないが、10年もあれば一つくらいは見つかるだろうと信じている。